ハロゲン仕様のヘッドライトに後付HIDキットを入れてはダメな理由
ハロゲンバルブ仕様のマルチリフレクタヘッドライトの場合、リフレクタ(反射板)をよく見ると、車種ごとに位置は違うのですが、ヘッドライト中心より上部に一部だけ他とは違う反射をする箇所があります(よく見ないとわからない。特に消灯状態だと見つけ難いです)。参考までに私の車のライトのリフレクタを載せます。わかりますかな?
正解はこちら。赤枠の場所です。
別の記事に掲載した写真を見るとわかりやすいかも。周囲のリフレクタと比べて違う反射をしているのがわかる。
これは、標準的なハロゲンバルブを使用する前提で、意図的に上方へ光が漏れるように計算され設定してあります。
別の車種の写真も掲載ししますが、同じようにありますね。
※それがどこにあるかを発見する方法(目の保護の為にサングラス等を着用してください)
- すれ違い灯(ロービーム)状態とします。(※フォグランプは点灯させないでください)
- 5メートル程度離れ、右または左のライトの前に立ちます。
- ライトを見ながらゆっくりとしゃがみます。
HIDキットが同型バルブの発光点と100%同じだとした場合、当然ながら上述したリフレクタへも光が当たって上方へ光が漏れますが、ハロゲンバルブと比べて光量が多いHIDですから、僅かな漏れでも対向車はかなり眩しく感じます。これが、国産の有名ドコロのHIDキットでも光軸等を100%再現できない理由です。また、対向車への幻惑の他にも、自ら運転する場合にHIDの光量が仇となる時があります。例えば降雪時。漏れた光が雪に乱反射して眩しく感じ、本来照らしているべき箇所が暗く感じます。これはとても危険です。
どうしても後付HIDを入れたかったら、上方へ光を漏らすためのリフレクタに光が当たらないように車種専用設計とすべきです。汎用的なHID取り付けなら、二度とハロゲンバルブを使わないという覚悟の上で、上方へ光を漏らしているリフレクタを無効化する。
いずれにしろ、汎用的なHIDキットを何も考えずに後付するだけではダメです。また、ハロゲンバルブ仕様のライトにHIDキットを取り付けることで、リフレクタが白濁する事が多々あるようで、それらからHID化はお勧めしません。